"メヌエット バッハ作曲"の演奏のポイント2

★バイオリンの3拍子の曲は弓順に注意。

小節のはじめは、ダウンで弾くのが通常です。しかし、3拍子の曲は、一つの小節に奇数個の音がしばしば入ってくるので、弓順を工夫して小節の頭をダウンで弾けるようにしてあげる必要があります。

スタッカートでアップ・アップを弾く時は、弓を軽く持ち上げる感じで軽やかに演奏しましょう。

2小節目や4小節目のスラー・スタッカートは、少なめの弓で、軽く弓を持ち上げる感じで弾くと軽やかさが出てきます。

弦をまたいだ移弦はできるだけ避けましょう。

D線からE線へA線を飛び越えて移弦するような、弦をまたいだ移弦は、余計な音を入れてしまう失敗の原因になりますので、可能であれば避けるようにしましょう。

3拍子 スラースタッカート 弓順 移弦 装飾音 弓の回し方

動画で解説

楽譜

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解説

3拍子の曲は弓順に注意しましょう。

バッハのメヌエットは4分の3拍子の曲ですが、バイオリンで3拍子の曲を演奏する場合は弓順に注意が必要です。

基本は、小節の頭の音である一拍目はダウンで弾きます。ダウンで弾いた方が、弓に力が乗り易く、1拍目を強調しやすくなるからです。

3拍子の曲は、2小節目のように4分音符が3つ、あるいは、1小節目のように、四分音符1つと八分音符4つのように奇数個の音が入ってくるので、弓順のつじつまを合わせてあげないと、次の小節の1拍目をダウンで弾くことができなくなってしまいます。ですので、適当にスラーを入れて、アップ・アップの弓順で弾くことになります。スラーでアップ・アップの弓順で弾く箇所は、アクセントの必要がなく軽く弾くべき部分にします。

例えば、1小節目や3小節目では、二拍目の8分音符2つは軽く弾けば良いので、スラーでアップ・アップで弾きます。また、2小節目や4小節目では、2拍目と3拍目は軽く弾くのでアップ・アップの弓順になります。

ソとレを3の指(薬指)で同時に押さえるのは避けましょう。

1小節目のレとソの音は、五度の関係にあるので3の指(薬指)で2つの弦を同時に押さえておくこともできますが、どうしても音が濁り易くなるので、時間に余裕があるのであれば1本1本づつ押さえましょう。

ただし、曲の速度が速くて指の移動が間に合わない場合は、2つの弦を同時の押さえておくことも一つのテクニックです。

アップ・アップの弓順は、弓を軽く持ち上げる感じで軽やかに演奏しましょう。

2小節目や4小節目の2拍目と3拍目のスラースタッカートは、アップ・アップの弓順で軽く弾きます。弓をたくさん使おうとすると重たくなってしまうので、すくなめにするとよいです。

また、弓を軽く持ち上げる感じで弾くと、軽やかな感じを出しやすくなります。

3小節目のミの音は、A線4の指で弾きましょう。弦を飛び越えて移弦することは可能であれば避けましょう。

3小節目のミの音は、E線の開放弦で弾くこともできますが、その場合、D線からE線へA線を飛び越えて移弦する必要が出てきます。雑音が入る可能性が高くなるので、可能であればそのような移弦は避けて、A線4の指(子指)でミを押さえるようにしましょう。

装飾音の弾き方 弓順ダウン・ダウンの弓の回し方
装飾音

8小節目には装飾音と呼ばれる、飾りの短い音を一瞬入れてみます。一瞬ですが、しっかりと強く押さえておかないと音が鈍くなってしまいます。

ラの音は、しっかりと丁寧に3拍延ばします。8小節目もダウンで弾きますが、9小節目もダウンで弾く必要がありますので、3拍しっかり弾いたら、素早く腕をまわして9小節目頭を弓元から引くようにしましょう。